Adobe が Photoshop・Acrobat・Express を ChatGPT に統合、8億人ユーザーに提供開始

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Adobe は2024年12月10日、主力製品である Photoshop、Acrobat、Express を ChatGPT に直接統合すると発表しました。この統合により、ChatGPT の8億人ユーザーが言葉による指示だけでプロフェッショナルな画像編集や文書作成を行えるようになります。

新機能は Model Context Protocol(MCP)というオープンスタンダードを採用し、自然言語のプロンプトで各アプリケーションを操作できます。例えば「Adobe Photoshop、この画像の背景をぼかしてください」と入力するだけで、ChatGPT が自動的にアプリを起動し、適切な編集を実行してくれます。

Photoshop では画像の明度やコントラストの調整、クリエイティブエフェクトの適用が可能です。Adobe Express では豊富なデザインテンプレートを使った招待状やポスターの作成ができます。また、Acrobat では PDF の編集や変換、複数ファイルの結合などの機能を利用できます。

これらの機能は世界中の ChatGPT ユーザーに無料で提供され、デスクトップ、ウェブ、iOS で利用可能です。ただし、実質的な編集作業には Adobe アカウントへのログインが必要となります。

Adobe デジタルメディア事業責任者の David Wadhwani 氏は「クリエイティブイノベーションと ChatGPT のシンプルさを組み合わせ、誰でもクリエイティビティにアクセスできるようにする」と述べています。

この統合は Adobe の戦略転換を示しており、従来の囲い込み戦略から埋め込みプラットフォームモデルへの移行により、OpenAI の巨大なユーザーベースへのアクセスが可能になりました。競合他社の Canva や Figma も AI 統合を進めていますが、ChatGPT のユーザー規模は Adobe に大きなアドバンテージをもたらしています。