Jeff Bezos が物理世界特化 AI 企業 Project Prometheus を設立、62億ドル調達

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Amazon 創設者の Jeff Bezos 氏が、物理世界に特化した AI 企業「Project Prometheus」の共同 CEO に就任したことが11月17日に明らかになりました。同氏が2021年に Amazon CEO を辞任して以来、初の正式な経営職復帰となります。

Project Prometheus は62億ドル(約9,300億円)の資金調達を完了しており、初期段階の AI 企業としては世界最高水準の資本力を持つ企業の一つとなっています。資金の一部は Bezos 氏自身が出資しているとされています。

同社は「AI for the physical economy(物理経済のための AI)」を掲げ、従来のチャットボット型 AI とは一線を画したアプローチを採用。デジタル情報処理ではなく、物理世界から知識を獲得する AI システムの開発に注力しています。対象分野は航空宇宙、自動車、コンピューター分野におけるエンジニアリング・製造業への応用で、実世界の物理実験から学習する AI モデルを構築することを目指しています。

共同 CEO を務めるのは元 GoogleX 研究員の Vik Bajaj 氏。MIT で物理化学博士号を取得し、Google Life Sciences の共同創設者・最高科学責任者を歴任した経歴を持ちます。現在は AI・データサイエンススタートアップのインキュベーター「Foresite Labs」の CEO も務めています。

Project Prometheus は約100名の従業員を雇用し、OpenAI、DeepMind、Meta などの大手 AI 企業から研究者をヘッドハンティングしています。競合には Periodic Labs(3億ドル調達)、Thinking Machines Lab(20億ドル調達)などが存在しますが、Bezos 氏の豊富な資本力と宇宙開発事業 Blue Origin との連携可能性により、業界内で注目を集めています。

Bezos 氏は「今後数十年で数百万人が宇宙に住むようになり、月面や他の場所での作業は人間ではなくロボットが担う方がコスト効率的」と述べ、宇宙開発との連携を視野に入れた長期ビジョンを示しています。