中国 Baidu、新AIモデル「ERNIE 5.0」と自己進化型エージェント「Famou」を発表

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中国のテクノロジー大手 Baidu は、2025年11月13日から14日にかけて開催された年次イベント「Baidu World 2025」で、最新のAI技術を発表しました。中でも、オムニモーダル基盤モデル「ERNIE 5.0」と、自己進化型AIエージェント「Famou」が大きな注目を集めています。これらは OpenAI の GPT-5 や Google の Gemini に対抗するものと位置づけられており、Baidu の AI 戦略をより一層強化するものとなります。

「ERNIE 5.0」は、テキスト、画像、音声、動画といった複数の情報を同時に理解し生成する「オムニモーダル」モデルとして設計されました。技術的には MoE (Mixture-of-Experts) を活用し、効率性を高めながらモデルの性能を維持している点が特徴です。ERNIE 5.0 は、ベンチマークテストで競合モデルと互角の性能を示しており、その競争力の高さがうかがえます。

もう一つの注目技術「Famou」は、商業利用可能な初の「自己進化型 AI エージェント」とされています。このエージェントは、進化アルゴリズムを用いて複雑な問題に対する最適なソリューションを自ら発見します。交通、エネルギー、金融、ロジスティクスといった領域での活用が期待されており、変化する状況に応じて自動で学習を繰り返し、常に最適な答えを導き出す能力を持っています。すでに複数の複雑なシステムで効率向上の実績を上げています。

Baidu はこれらの新技術に加え、デジタルヒューマン技術やノーコードのアプリ開発ツール、さらには自社製 AI チップの開発にも力を入れています。自動運転サービス「Apollo Go」も世界で 1700 万回以上の乗車実績を達成するなど、AI 技術を社会のあらゆる側面に浸透させようとしています。