中国の IT 大手 ByteDance が運営するクラウドサービス部門 Volcano Engine は11月12日、AI プログラミング助手「Doubao-Seed-Code」を正式発表しました。初月価格はわずか 9.9 元(約 200 円)、通常月額料金も 40 元(約 800 円)と、業界平均より約 62.7% 安価な価格設定となっています。
Doubao-Seed-Code は SWE-Bench Verified テストで最新記録を樹立し、Anthropic の Claude Sonnet と同等の性能を示しています。Trae 環境と統合した際のベンチマークでは 78.8% のスコアを獲得しました。最新版では最大 256,000 単語のクエリ処理が可能で、200 以上のプログラミング言語をサポートしています。
特筆すべきは、同製品が中国初の視覚理解機能を持つプログラミングモデルである点です。UI デザイン案やスクリーンショット、手描きスケッチからコードを生成し、独立してスタイル修正やバグ修復を実行できます。また、Claude Code との直接統合が可能で、開発者は学習コストなしで API を切り替えることができます。
この発表は、Anthropic が9月5日に中国企業による Claude モデルの使用を禁止した措置への対応とみられます。ByteDance は制限開始から6日後、シンガポールのプログラミングアプリ Trae で Claude AI モデルの使用を停止し、代わりに自社の Doubao を統合しました。
ByteDance の AI 戦略は急速に発展しており、Doubao チャットボットの使用量は過去6か月で倍増、日平均トークン使用量は3月の 12.7 兆から9月には 30 兆超に達しています。現在 Doubao は中国で最も人気の AI アプリケーションとなり、月間アクティブユーザー数は 1.57 億人を超えています。
この動きは、米国による中国 AI 技術へのアクセス制限が厳格化する中で、中国 AI 企業の技術的自立と競争力向上を表す展開といえるでしょう。
