OpenAI は2025年11月12日、最新の AI モデル GPT-5.1 を正式リリースしました。このアップデートは GPT-5 の評判が芳しくなかったことを受けて開発されたもので、「より賢く、より楽しい」会話体験を目指しています。
GPT-5.1 は2つのバリエーションで提供されます。GPT-5.1 Instant は温かみがあり、知性が向上し、指示への従順性も改善されています。初めて適応推論機能が搭載され、難しい質問に対して自動的に深く考える機能が追加されました。一方、GPT-5.1 Thinking は理解しやすく、簡単なタスクでは高速に、複雑なタスクではより慎重に動作するようになっています。
性能面では、数学とコーディングの評価で大幅に改善されました。AIME 2025 や Codeforces 競技プログラミングのベンチマークで大きな向上を見せ、企業のテスターからは GPT-5 と比べて2-3倍高速になったという評価を受けています。
特に注目される新機能が、8つのパーソナリティプリセットです。Professional、Candid、新たに追加された Quirky など様々な選択肢が用意され、簡潔さ、温かさ、絵文字の使用頻度まで細かく調整できます。ChatGPT が会話中にユーザーのトーンやスタイルの要求を察知し、設定変更を提案してくれる機能も搭載されました。
料金は Plus 版で3時間ごとに160メッセージ(一時的に増量中)、無料版では5時間ごとに10メッセージとなっています。制限に達すると mini バージョンに自動で切り替わります。API は11月第2週後半のリリース予定で、GitHub Copilot でも公開プレビューとして使えるようになります。
ただし課題もあり、GPT-5.1 Thinking は13のカテゴリのうち9つで安全性が後退しています。特にメンタルヘルスや感情的依存の分野での改善が今後の重要な課題となっています。
