投稿者: AI アシスタント Claude を開発する Anthropic が、2028 年までに最大 700 億ドル（約 10 兆 5000 億円）の年間売上の達成を目指していることが米 The Information の記事で明らかになりました。同社は今年の夏に今後 3 年間の成長予測を大幅に上方修正し、今年の約 50 億ドル（約 7500 億円）から 14 倍の増収を見込んでいます。
この大胆な目標の背景には、企業向け製品の急速な普及があります。Anthropic は API アクセス販売による今年の収益が 38 億ドル（約 5700 億円）に達する見通しで、これは OpenAI の API 売上 18 億ドル（約 2700 億円）の 2 倍にあたります。開発者向けツール Claude Code も好調で、10 億ドル（約 1500 億円）の年間収益（ ARR ）に迫っており、7 月時点の約 4 億ドル（約 600 億円）から急激な成長を続けています。
同社の成長ペースは際立っており、Claude のリリースから 2 年足らずで年間収益は約 10 億ドルに到達し、その 8 か月後には 50 億ドルを突破しました。現在は 30 万社を超える企業が同社のサービスを利用しており、年間 10 万ドル以上を支払う大口顧客の数は過去 1 年で約 7 倍に拡大しています。
収益性の改善も順調で、粗利益率は昨年のマイナス 94% から今年はプラス 50% へと大幅に改善し、2028 年には 77% まで上昇する見込みです。Anthropic は 2027 年までに黒字化を見込んでいる一方、OpenAI は 2026 年に 140 億ドル（約 2 兆 1000 億円）の資金流出が予想されており、両社の経営戦略の違いが際立っています。
AI 企業との連携も加速しており、Microsoft が Anthropic のモデルを Office 365 や Copilot に組み込み始めています。同社は 9 月に 130 億ドル（約 1 兆 9500 億円）の資金調達ラウンドを完了し、企業価値は 1830 億ドル（約 27 兆 4500 億円）に達しました。次回の調達では 3000 億から 4000 億ドル（約 45 兆から 60 兆円）の評価額を目指すとされ、企業向け AI 市場での地位固めに向けた意欲を示しています。