Nvidiaが支援するクラウドスタートアップのLambda社が、Microsoftとの間で数十億ドル(数千億円規模)にのぼる複数年契約を締結したと発表しました。この提携は、数万個のNvidia製最新GPUを搭載した大規模なAIインフラを構築するもので、AIコンピューティングリソースを巡る世界的な需要の高まりを象徴する動きです。
この契約の目的は、MicrosoftのクラウドプラットフォームAzureのAI能力を大幅に拡張し、急増する高性能コンピューティングの需要に対応することです。導入される技術の中核をなすのは、Nvidiaが2024年3月に発表した次世代AI GPUプラットフォーム「Blackwell」アーキテクチャを採用した「GB300 NVL72」システムです。
2012年に設立されたLambdaは、オンプレミスGPUサーバーの販売からAI開発者向けのクラウドプロバイダーへと成長を遂げた企業です。同社はNvidiaから直接支援を受けており、最近ではシリーズDラウンドで4億8000万ドル(約763億円)を調達したほか、Nvidiaとの間で15億ドル(約2385億円)規模のGPUリースバック契約を結ぶなど、強固な関係を築いています。LambdaのCEO、Stephen Balaban氏は、今回の提携を「これまでで最大級の契約」と表現しています。
AIインフラ市場では、企業による「コンピューティング争奪戦」が激化しています。MicrosoftはLambda以外にも、オーストラリアのデータセンター事業者IRENと97億ドル(約1兆5423億円)規模の契約を結んでいます。この背景には、Microsoftのサティア・ナデラCEOが示唆したように、確保したGPUを稼働させるための電力が不足するという新たな課題も浮上しています。
