中国のAI エージェントプラットフォーム Manus が、2025年10月に最新バージョンである Manus 1.5 と、費用対効果の高い Manus-1.5-Lite をリリースしました。今回のアップデートでは、タスクの実行速度と開発能力が大幅に強化されています。
最も大きな変更点の一つが、タスク完了速度の向上です。計画と実行のステップを並列化する新しいエンジンにより、タスク完了までの平均時間は従来の約 15 分から 4 分未満へと、約 4 倍高速化されました。これにより、ユーザーはより迅速に結果を得られるようになります。
さらに、今回のリリースで特に注目されるのが、フルスタック Web アプリケーション開発機能です。「ワンプロンプトのフルスタックアプリビルダー」と称されるこの機能は、ユーザーとの対話を通じて、本番環境に対応した Web アプリケーションをゼロから構築し、デプロイまでを可能にします。これは単に静的なページを生成するだけでなく、永続的なバックエンド、データベース、ユーザー認証、さらにはマルチモーダル LLM や画像生成といった AI 機能の組み込みまでをプラットフォーム内で完結させることができます。
知能面でも進化が見られます。社内ベンチマークではタスク品質が 15% 向上し、ユーザー満足度も 6% 向上したと報告されており、これまで複雑さから失敗していたタスクの成功率も上がっています。また、コンテキストウィンドウが拡張されたことで、より複雑なワークフローでも一貫性を保った対話が可能になりました。
その他、チームでの共同作業を可能にする「コラボレーション」機能や、生成されたファイルを一元管理する「ライブラリ」機能も追加され、プラットフォームとしての完成度が高まっています。
Manus 1.5 は有料会員向けに提供され、その簡易版である Manus-1.5-Lite は全てのユーザーが無料で利用可能です。今回のアップデートは、AI エージェントが単純なタスク自動化ツールから、複雑な開発プロジェクトを遂行するパートナーへと進化していることを示すものです。
