Apple は、 Vision Pro ヘッドセットの大幅な刷新計画を中止し、今後は Meta の Ray-Ban スマートグラスのような AI スマートグラス開発に重点を移す方針だと Bloomberg が 10 月 1 日に報じています。
同社は当初、より軽量で手頃な価格にした次世代 Vision Pro を 2027 年に発売する計画でしたが、このプロジェクトを棚上げし、エンジニアチームをスマートグラス開発に再配置しています。現在の Vision Pro は約 3,500 ドル(約 51 万円)と高価格で、重量も課題となっており、発売後 9 ヶ月で数万台程度と売上も期待を下回っていました。
新しいスマートグラスは、 AI を活用した音声アシスタント機能を中心に、軽量で日常使いしやすいデザインを目指しています。 Meta の Ray-Ban Meta スマートグラス(カメラと AI 搭載で人気)を直接競う位置づけで、 2025 年末から 2026 年初頭にプロトタイプが登場し、 2027 年頃の発売が予定されています。 Apple はこれを「次なる iPhone 級の製品」として位置づけ、 AR / VR ヘッドセットより現実的なウェアラブルとして推進する方針です。
この戦略転換の背景には、 Vision Pro の低調な販売と、 Meta のスマートグラス市場での勢いがあります。 Apple は AI 分野( Apple Intelligence )への投資を強化しており、スマートグラスがその一環として浮上した形です。 Vision Pro 自体のサポートは継続されますが、新モデルへの投資や設計は縮小し、ソフトウェア改善やエコシステム充実が主になります。
今後は Meta や Google を含む大手 IT 企業との AI ウェアラブル市場競争が加速する可能性があります。 Apple の AR / VR 戦略がスマートグラス中心にシフトすることで、ウェアラブル市場の勢力図が大きく変わるかもしれません。