OpenAI が最新アップデートとして「 GPT-5 Codex 」を正式に発表しました。2025 年 9 月 16 日に同社の公式ブログで公開されたこのモデルは、実際のソフトウェア開発に最適化されており、タスクの難易度に応じて計算リソース(思考時間)を柔軟に調整できることが大きな特徴です。
GPT-5 Codex は、OpenAI 社の GPT-5 をベースに「エージェント型コーディング」用途に特化して開発されたモデルです。従来の Codex ( GitHub Copilot の基盤モデル)を大幅にアップグレードし、「動的な計算調整」という仕組みにより、タスクの複雑さに応じて思考時間を自動的に最適化します。簡単なコード修正やクイックなフィードバックであれば数秒で応答し、プロジェクトの大規模リファクタリングなど複雑なタスクには数時間かけて独立して作業を完了できます。実際の開発現場では、最大 7 時間以上連続でタスクを自己管理しながら進めた実績も報告されています。
主な進化ポイントは多岐にわたります。コードレビュー能力では、コミット単位で重大なバグや設計的な欠陥を高精度に指摘できるよう強化されました。リアルタイムでのペアプログラミングと、長時間にわたる自律的な作業の両方に対応しています。フロントエンド分野では、デスクトップアプリに加えて、モバイル Web サイトのデザインや UI 改善への対応力も大幅に向上しました。さらに画像認識機能により、開発工程でスクリーンショットやデザインワイヤフレームなどの画像を参照し、進捗を視覚的に確認することも可能になっています。
利用環境については、Codex CLI (ターミナル)、VS Code などの IDE 、 GitHub 、 Web 、 ChatGPT iOS アプリなど多様なプラットフォームで動作します。現在は OpenAI の API 経由で利用でき、 ChatGPT Plus / Pro / Business / Edu / Enterprise 以上の有料プランに標準搭載されているため、追加費用なしで使用できます(ただしプラン別に利用量制限があります)。 CLI や IDE では外部ツールとの連携や画像添付が可能で、複数のタスクをクラウド環境とローカル環境の間でシームレスに切り替えながら利用できます。
セキュリティ面では、デフォルトで「サンドボックス環境」の提供やネットワークアクセスの制限・管理、コマンド実行前のユーザー承認など、多層的なセキュリティ設計が施されています。バイオ・化学分野への応用リスクにも配慮し、高度な安全対策が講じられています。
業界では Anthropic の Claude Code との競争激化が注目されており、YouTube のレビュー動画では「これまでのコーディング AI で最も強力」との評価も見られます。GPT-5 Codex は、ペアプログラミングや自動コードレビュー、長期的な開発作業の自動化など、開発現場での AI 活用を大きく前進させる可能性を秘めています。