Google は 2025 年 9 月 8 日、検索機能の AI Mode を新たに 5 つの言語に拡大することを発表しました。対応言語は、ヒンディー語、インドネシア語、日本語、韓国語、ブラジル・ポルトガル語となります。これまで英語のみに対応していた AI Mode ですが、 Gemini 2.5 を基盤とした AI 駆動の検索体験を、世界中のより多くのユーザーが母語で利用できるようになります。
AI Mode は、従来の検索を超えた会話型インターフェースを提供し、マルチモーダル入力(テキスト、画像、音声など)をサポートしています。旅行計画やレシピ提案、複雑な要件のレコメンドなどに対して、包括的な回答を生成することが可能です。
特に日本語対応により、日本のユーザーは「地元民に好まれるラーメン屋」といった主観的・曖昧な表現によるローカル検索や、「京都発の伝統工芸と歴史観光を重視した 6 泊 7 日プラン」のような細かい要望にも、 AI が複数分野を網羅して回答することができます。従来の Google マップ情報に加え、 SNS や多様な情報源からも回答を構築し、店舗情報、体験内容、営業時間、駐車場の有無なども会話形式で深掘りして質問できるのが特徴です。
この多言語展開は、 Google にとって AI 検索分野での競争力強化を図る戦略的な動きでもあります。 ChatGPT や Perplexity といった競合の AI 検索サービスに対抗し、グローバル市場での地位強化を目指しています。英語版が 180 カ国以上に展開されてからわずか 2 週間という速いペースでの拡大は、 Google の積極的な姿勢を示しています。
技術面では、従来の翻訳ベースではなく、ローカル文化や言語ごとの細かなニュアンス、現地特有の表現を理解し、ネイティブな回答を意識した設計となっているのがポイントです。これにより、各地域のユーザーにとって、よりパーソナライズされた検索体験が実現されます。
Google は今後もさらに多くの言語や地域でのローカル最適化を進める予定で、検索の民主化をさらに促進していく方針です。