Meta は、AI 画像生成スタートアップの Midjourney と戦略的提携を発表しました。これまで独自開発にこだわってきた同社にとって、大幅な路線変更となります。
提携により、Midjourney の「 aesthetic technology (美的技術)」が Meta の今後の AI モデルやプロダクトに組み込まれる予定です。Midjourney はこれまで AI 画像生成分野において、他社を上回る美的センスと芸術性の高さで評価されてきました。両社の研究チームが技術協力を進め、Facebook 、Instagram 、WhatsApp などのサービスに AI による画像・動画生成機能が統合される見通しです。
Meta はこれまで独自開発の動画生成・画像生成( Movie Gen 、Imagine など)の分野で競合に遅れを取っていました。しかし Midjourney のリアルで芸術性の高い画像・映像生成技術を自社サービスに統合することで、AI 生成コンテンツの品質を一気に向上させる狙いがあります。
具体的には、Meta が Midjourney の技術を「ライセンス契約」で導入する形で進められます。Midjourney は創業以来一度も外部投資を受けずに成長してきた稀有なスタートアップであり、今後も独立した立場を維持する方針です。協業は単なるツール提供にとどまらず、両社研究チームによる技術的コラボレーションに発展する予定です。
Meta は AI 分野での存在感強化を目指しており、OpenAI や Google といった競合としのぎを削っています。今回の提携により、AI による高品質な映像・画像生成を通じて、ユーザー体験の向上と広告事業での差別化を図る狙いです。同社はすでに AI タレント獲得に巨額投資をしており、AI Superintelligence Lab という新体制で再出発しています。