Google は 2025 年 8 月 6 日、教育分野への大規模な投資として AI アシスタント「 Gemini 」に新機能「 Guided Learning モード」を追加し、大学生向けに従来月額 20 ドル(約 2,940 円)の AI Pro プランを 1 年間無料で提供するキャンペーンを開始しました。
「 Guided Learning 」モードは、従来の AI チャットボットのように単純に答えを返すのではなく、学習内容をステップバイステップで分解し、対話形式やクイズ、図表や YouTube 動画などのビジュアル要素を使って深い理解を促進する機能です。例えば、生物の酵素の仕組みやメンタルヘルスの関係、写真術などの創作分野まで、多様な分野で応用できます。
このモードでは、利用者の理解度をリアルタイムでチェックし、わからない点を明確にして学習を導く AI 学習パートナーのような役割を果たします。フラッシュカードの自動生成や学習ノートの整理、カスタムクイズ作成などの学習支援機能も統合されており、「カンニング的利用」ではなく本質的な学びをサポートするツールとして設計されています。
大学生向けの無料キャンペーンは、アメリカ・ブラジル・インドネシア・日本・韓国の 18 歳以上の大学生が対象で、2025 年 10 月 6 日までの申し込みで 1 年間無料利用が可能です。このプランには Gemini 2.5 Pro への拡張アクセス、Veo 3 による動画生成、Deep Research による詳細調査機能、Jules( AI コーディングアシスタント)などの高度な機能が含まれています。
さらに NotebookLM による調査・執筆支援、Google Workspace アプリへの AI 統合、2TB のクラウドストレージなども付帯します。大学生であることの認証手続きを経て登録し、提供期間終了後は自動的に月額 19.99 ドル(約 2,940 円)の有料プランに移行しますが、いつでもキャンセル可能です。
Google はこの取り組みの背景として、今後 3 年間で 10 億ドル(約 1,470 億円)以上を AI 教育や職業トレーニング、大学・非営利団体への支援に投じることを発表しています。既に 100 校以上の大学と連携しており、学生への AI リテラシー教育、研究費助成、Google Cloud リソースの無料提供などを実施中です。
この動きは、OpenAI ・Microsoft ・Amazon も教育投資に注力する中で、「 AI ネイティブ世代」の獲得競争が本格化していることを示しています。Google は教育現場へのインフラ提供を通じて、未来のプロフェッショナルが Google ツール・プラットフォームを選択しやすくなる長期的な戦略を描いており、AI ・クラウド覇権の基盤固めを図っています。