Microsoft、小型で高性能な推論 AI モデル「Phi-4」シリーズを発表

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Microsoft は、小型ながら優れた推論能力を持つ新しい AI モデル「Phi-4」シリーズの 3 モデル(Phi-4-reasoning、Phi-4-reasoning-plus、Phi-4-mini-reasoning)を発表しました。これらのモデルは、複雑な数学や科学の問題に対する推論能力において、はるかに大きなモデルと同等以上の性能を示しています。

特筆すべきは、14B パラメータの Phi-4-reasoning と Phi-4-reasoning-plus、そして 3.8B パラメータのより軽量な Phi-4-mini-reasoning が、DeepSeek R1(671B)や OpenAI の o3-mini といった大型モデルに匹敵する成績を残している点です。例えば、数学オリンピック予選(AIME 2025)では、これらの小型モデルが大型モデルを上回るスコアを記録しました。

これらのモデルはすべてオープンウェイトで公開されており、Azure AI Foundry や Hugging Face で誰でも利用できます。開発者や企業は独自のニーズに合わせてファインチューニングや実装が可能です。

軽量設計により、スマートフォンやノートパソコンなどのエッジデバイスでも動作するため、オフライン環境でも高度な AI 機能を利用できます。教育用途や Windows Copilot+ PC への組み込みなど、幅広い応用が期待されています。

AI モデルの「小さくても賢い」という新時代を象徴するこの発表は、計算リソースやエネルギー消費を抑えながら高性能な AI を実現する重要な一歩と言えるでしょう。