Google DeepMind は 2025 年 4 月 24 日、音楽制作支援ツール「Music AI Sandbox」の大規模アップデートを発表しました。新しい音楽生成モデル「Lyria 2」を導入し、プロの音楽制作者向けの機能を充実させ、米国のミュージシャンへの提供も拡大します。
今回導入された「Lyria 2」は、これまでのモデルよりもはるかに高い音質で音楽を生成できます。プロの音楽制作で使われる 48kHz ステレオの高音質対応で、楽器の繊細な響きや複雑な音楽表現も忠実に再現可能です。「明るいジャズピアノ」や「壮大なオーケストラ」といった言葉を入力するだけで、イメージに合った音楽を生成できます。
特に注目なのは「Lyria RealTime」という新機能です。これは、音楽をリアルタイムで生成・編集できる画期的な機能で、ライブ演奏や即興演奏のように、その場で音楽を作り上げることが可能です。ジャンルや楽器、曲の雰囲気を瞬時に変更でき、まるでバンドメンバーと一緒に演奏しているような体験ができます。
Music AI Sandbox には、3 つの主要な機能があります。「Create」機能では、好みのジャンルや雰囲気を選んで新しい音楽パートを作成できます。「Extend」機能は、既存の音楽の続きを自動的に生成してくれるので、作曲に行き詰まったときに役立ちます。「Edit」機能では、作った音楽の雰囲気を簡単に変更できます。
安全面への配慮として、AI が生成した音楽には「SynthID」という電子透かしが自動的に入ります。これにより、AI で作られた音楽であることが識別でき、著作権の保護に役立ちます。
このツールの開発には、グラミー賞受賞者のジェイコブ・コリアーをはじめ、多くの音楽のプロが協力しています。現在は主にプロの音楽制作者向けのツールとして提供されており、動画制作やポッドキャスト、デジタルコンテンツ制作での活用が期待されています。