テスラの「FSD Unsupervised」が工場内で5万マイル達成、Robotaxiへの布石に

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テスラは現在、「FSD Unsupervised(監視不要の自動運転)」の社内活用を本格化させており、テキサス州オースティンのギガファクトリーおよびカリフォルニア州フリーモント工場において、製造ラインから出荷エリアまで車両を完全無人で自律走行させるシステムを導入しています。これまでに無人走行の累計距離は 5 万マイル(約 8 万 km)を超えており、2025 年 6 月に予定されている「 Robotaxi ネットワーク」の発表に向けた準備が進められています。

工場内の無人走行では、新型 Model Y やサイバートラック( Cybertruck )が、約 1.4 マイル(2.2 km)離れた配送ロットまで、歩行者や他の車両、トラック、建設機械などが行き交う実環境を通過しながら自律走行しています。特にサイバートラックは「 Cybertunnel 」と呼ばれる専用トンネルを使い、最大 17% の急勾配を自動で上り下りして目的地に到達するという高度な走行を実現しています。

2025 年 6 月には、テキサス州オースティンにてテスラ初の商用 Robotaxi ネットワークが始動予定です。これは「 FSD Unsupervised 」を用いた完全無人運転の有料ライドシェアサービスで、ローンチ初期はテスラ社が所有する車両のみが使用されます。2026 年以降は、一般ユーザーも自身のテスラ車をネットワークに登録し、無人での運用が可能になる見通しです。

さらに、テスラは数週間以内に FSD の新機能をリリース予定で、「 Start FSD from Park 」(駐車状態から目的地までの自動走行を開始できる機能)や、「 Actually Smart Summon 」(最大 65 m 離れた場所からスマートフォンで車を呼び寄せられる機能)などが含まれます。そのほか、自動リバースやマルチポイントターン、自動駐車など、狭い場所での自律走行性能を大幅に向上させる新機能も追加される予定です。

様々な批判はありつつ、テスラは、無人の自動運転技術を実用化すべく着実に歩みを進めています。