OpenAI が 2025 年 4 月 14 日に発表した「GPT-4.1」シリーズは、開発者向けに特化した API 専用のモデルファミリーです。このモデルシリーズは、コーディング能力、指示追従性、長文コンテキスト処理の大幅な向上を特徴としており、「GPT-4.1」「GPT-4.1 Mini」「GPT-4.1 Nano」の 3 つのバリエーションで構成されています。
特筆すべき点として、GPT-4.1 は SWE-Bench Verified ベンチマークで 54.6%のスコアを達成し、GPT-4o より 21%、GPT-4.5 より 27%優れた結果を示しています。これにより、大規模なコードベース(例:450,000 トークンの NASA サーバーログ)を数回のプロンプトで解析し、機能特定やバグ修正が可能になりました。
また、GPT-4.1 シリーズは最大 100 万トークン(約 3,000 ページのテキスト)を一度に処理できる機能を備えており、これは従来の GPT-4o(128K トークン)の約 8 倍に相当します。この機能により、大規模なドキュメント解析、コードリポジトリ全体の理解、長期会話のコンテキスト保持が強化されています。
コスト面でも大きな改善が見られます。GPT-4.1 は GPT-4.5(100 万入力トークンあたり 75 ドル(約 11,250 円)、100 万出力トークンあたり 150 ドル(約 22,500 円))に比べて大幅に安価です。例えば GPT-4.1 Nano は、100 万入力トークンあたり 0.10 ドル(約 15 円)、100 万出力トークンあたり 0.40 ドル(約 60 円)で利用可能です。長文コンテキスト利用でも追加料金はなく、標準 API 価格で利用できます。
OpenAI はまた、GPT-4.5 を 2025 年 7 月までに API から段階的に廃止し、GPT-4.1 を後継モデルとして位置づける計画を発表しました。GPT-4.5 は高コストかつ計算リソースを多く消費するため、GPT-4.1 が同等以上の性能を低コストで提供することでリソースを最適化する狙いがあります。
本シリーズは発表即日、OpenAI の API および Microsoft Azure OpenAI Service で利用開始されており、知識カットオフは 2024 年 6 月までとなっています。開発者コミュニティからは、コード品質の向上や長文処理の実用性が高く評価されており、特に大規模プロジェクトやエンタープライズ用途での採用意欲が高まっています。