OpenAIの急成長を示す新たな指標が明らかになりました。同社のCOO(最高執行責任者)であるブラッド・ライトキャップ氏が明かした最新データによると、ChatGPTの週間アクティブユーザー数が4億人に到達。2024年12月には3億人だったことから、わずか3ヶ月で33%の伸びを記録したことになります。
注目すべきは、この成長が主に「口コミ」や「友人同士の推薦」による自然な広がりから生まれているという点です。ライトキャップ氏によると、個人がChatGPTの有用性を実感し、それを周囲に勧めるケースが増加しているとのこと。世界人口の約5%が毎週利用する規模にまで成長した AI ツールの存在感が際立っています。
エンタープライズ(企業向け)市場での躍進も著しく、有料顧客数は200万社に達しました。これは2024年9月の100万社から、わずか5ヶ月で倍増したことを意味します。Uber、Morgan Stanley、T-Mobileなどの大企業が業務効率化や生産性向上を目的にChatGPTを導入。さらに、初の連邦政府機関(USAID)との契約も獲得し、公的機関への展開も始まっています。
開発者向けのAPI利用も過去6ヶ月で2倍に増加。特に最新の推論モデル「o3」の利用は、o3-miniのリリース以降、5倍に急増しました。ライトキャップ氏は、AI がクラウドサービスのような不可欠な「インフラ」になると予測しており、「今後、企業は AI なしでビジネスを運営することはできなくなる」と語っています。
OpenAI は今後数ヶ月以内に「 GPT-4.5 」と「 GPT-5 」のリリースも予定。GPT-5は現行モデルを統合した「単一の強力なモデル」となり、無料ユーザーにも無制限提供される計画です。競合他社の台頭が進む中、さらなる成長に向けた取り組みが注目されます。
筆者の視点:性能面での競争はあるものの、利用者数の面では、ChatGPT一強の様相が深まってきました(正式な発表はありませんが、推計値ではAnthropicもGoogleもアクティブユーザーは 1 / 10 以下と推定されています)。
AIに関心が薄い層に対しても「ChatGPT」のネームバリューは大きく、他のツールの存在感は薄い、と言えます。認知度の面でも圧倒的な差がついていて、簡単に追いつけるとは思えません。このままいくと「First mover takes ALL」が成立してしまいそうです。
AI業界へのこれまでの貢献度合いの大きさを考えると、本来はこの位置にはGoogleがいて然るべきだと思うのですが、いまだに本格的に盛り返すことができていません。改めて「大企業病」の怖さを思い知らされます。