Meta が新たに AI を活用したヒューマノイドロボットの開発に参入することを発表しました。同社の Reality Labs 部門内に新チームを設立し、家庭内作業を支援するロボット技術の開発に着手します。
注目すべき点は、Meta が自社ブランドのロボットを製造するのではなく、他社のロボット製造を支える基盤技術の開発に特化するという戦略です。AI 、センサー、ソフトウェアなど、ロボティクス業界全体で活用可能な技術基盤の構築を目指しています。
このプロジェクトは、General Motors の自動運転車部門「 Cruise 」の元 CEO であるマーク・ウィッテン氏が率いることになりました。 2025 年中に約 100 人のエンジニアを採用する計画で、Meta 全体としては AI 関連インフラに最大 650 億ドル(約 9.8 兆円)の投資を予定しています。
技術面では、Meta がこれまで培ってきた拡張現実( AR )や仮想現実( VR )の技術を活用するとのこと。具体的には、ハンドモーショントラッキング、低帯域幅コンピューティング、常時稼働センサーなどの技術が、家庭環境でのロボット操作に応用されます。
また、同社のオープンソース大規模言語モデル「 Llama 」もロボット開発において重要な役割を果たす見込みです。これらの技術を統合し、ロボットが衣類をたたむ、水の入ったグラスを運ぶなどの日常タスクを効果的に実行できるよう開発を進めます。
業界戦略としては、スマートフォン市場における Google の Android のような立場を目指しており、すでに Unitree Robotics や Figure AI などのロボットメーカーとの協議を開始しています。
現在、Tesla 、Apple 、Google DeepMind なども同様の分野に参入しており、ヒューマノイドロボット開発の競争は激化しています。Meta の参入により、技術コストの削減や新たな産業標準の形成など、ロボティクス業界全体の成長が加速することが期待されています。