Adobe、商業利用可能なAI動画生成ツール『Firefly Video Model』をベータ版で公開

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Adobe は 2025 年 2 月 12 日、業界初となる「商業利用に安全な」生成 AI 動画ツール「 Firefly Video Model 」のパブリックベータ版を公開しました。このツールは、Adobe Stock ( * )内の画像と動画をベースにトレーニングされており、著作権や知的財産権の侵害の懸念がない点が特徴です。

Firefly Video Model の主な機能として、テキストプロンプトからの動画生成、画像からの動画生成、カメラアングルや動きの詳細な制御などが可能です。現在のベータ版では 1080p 解像度で最大 5 秒間の動画を生成でき、将来的には 4K 解像度への対応も予定されています。

注目すべき点は、Adobe Creative Cloud との統合です。Premiere Pro や After Effects などのアプリケーションと連携することで、生成した動画をシームレスに編集環境に取り込み、より高度な編集作業を行うことができます。

価格は 2 つのプランが用意されており、月額 $9.99 の Standard プランでは 2,000 クレジット( 20 本の 5 秒動画相当)が、月額 $29.99 の Pro プランでは 7,000 クレジット( 70 本相当)が付与されます。これらのプランは Creative Cloud アカウントと統合可能で、他のアプリでも AI 機能を活用できる仕組みとなっています。

競合他社の Google DeepMind や Runway なども同様の AI 動画生成ツールを展開していますが、Adobe は商業利用に特化した安全性と、Creative Cloud との統合性( = Adobe の他のツールとの連携)を強みとしています。特に、Adobe Stock ベースでトレーニングされたモデルは、ブランドロゴや不適切なコンテンツが含まれないよう設計されており、ビジネス利用における安心感を提供しています。


筆者の視点:Adobe の Firefly は、過去に社内リークにより他社の画像や動画を使ってトレーニングしたことが明らかになり、大きな問題となりましたが、今回は「商用利用可能」を大々的に謳っており、改善をした模様です。Adobe のツールはプロのクリエイターには欠かせないツールとなっていますので、それらのツールと生成 AI がシームレスにつながるようになったことは、クリエイターの生産性向上に大きく寄与することになると思います。

* Adobe Stock は、アドビ株式会社が提供する商用利用可能なストックサービスです。2015 年に開始され、写真、イラスト、ビデオ、オーディオ、3D モデルなど、3 億点以上の高品質な素材を取り扱っています。