ロシア最大手の銀行であるスベルバンク(Sberbank)は、OpenAI社のChatGPTに対抗するため、自社の人工知能(AI)チャットボット、「Gigachat」を発表しました。Gigachatは、ロシア語の理解に優れ、現在ChatGPTにはない画像生成機能も備えているとされています。
現在クローズドベータテストフェーズであり、今年後半に一般公開が予定されています。スベルバンクは、企業や消費者がGigachatを活用し、ロシア国内での外国技術への依存を軽減することを期待しています。
今回の発表は、ウクライナ侵攻によりロシアが世界経済からますます孤立している状況で行われました。西側諸国による制裁により、ロシア企業が外国の技術にアクセスすることが困難になっており、スベルバンクもその例外ではありません。同行は、外国技術への依存を減らすため、Gigachatだけでなく、国内AI研究開発への投資や独自のオープンソースAIプラットフォーム開発にも力を入れています。
Gigachatの発表は、ロシアのAI産業における重要なマイルストーンとなりました。サービスの具体的な品質は今後明らかになるでしょうが、まずはこの発表により、制裁にもかかわらずロシア企業が世界レベルのAI技術開発ができることを内外に示した格好です。
イタリアをはじめとするEU諸国とは違った観点から、米国発のAIチャットボットを拒絶したいロシアや中国といった国々で今後AI技術がどのような発展を遂げていくのか、注目していきたいと思います。