米Bloombergが報じたところによると、OpenAIやGoogleといった主要なAI企業が、動画トレーニングデータの確保に力を入れていることが明らかになりました。特に、インターネット上では入手困難な未公開のビデオ映像は、動画生成モデルや動画の内容を理解するビジョンシステム、ビデオ解析などのAIモデルのトレーニングに非常に高い価値を持っています。
今回、AI企業がYouTubeやTikTokで活動するコンテンツクリエイターに対し、未公開の映像を1分あたり最大4ドルで購入する動きを見せていることが明らかになりました。特に、高品質な4K解像度映像やドローン映像、3Dアニメーションなどは高額で取引されていて、通常の画質の映像は1~2ドル程度で販売されているようです。
こうした新しいトレンドにより、動画クリエイターにとっては広告収入やスポンサー以外の新たな収益源となり始めています。
筆者の視点:先日のEditor’s Insightでも書きましたが、簡単に入手できるトレーニングデータは取り尽くしてしまい、ついにネット上に公開されていないデータを高価に買取始めるようになってきました。動画クリエイターにとっては今までは捨てていた動画も動画も買ってもらえるということで、貴重な収入源になっていくでしょう。ただ、この流れが本格化していくと、資金力のないAI会社やオープンソースモデルを開発している企業はデータの確保に膨大な資金が必要になるため、開発を進めることができるプレーヤーが限られてくるという弊害もあると思います。