OpenAIが新AIモデル「o1」を正式リリース、推論能力に特化

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OpenAIは2024年12月5日、9月にプレビュー版を発表していた新しいAIモデル「o1」の正式版をリリースしました。o1は、従来のGPTシリーズとは異なり、「推論能力」に特化した設計が特徴です。

数学や科学分野で特に優れた性能を発揮し、応答前に「思考」するプロセスを経ることでより正確な結果を導き出します。国際数学オリンピック予選問題では83%の正答率を達成し、GPT-4oの13%を大きく上回りました。また、重大なエラーが34%削減され、応答速度も改善されています。

新機能として、o1-previewではできなかった画像認識・分析機能や手書き文字の認識、相対的なサイズの推定などが可能になりました。

今回、提供形態として月額200ドルのChatGPT Proが新設され、o1及びo1 Proモデルの無制限の利用と拡張機能へのアクセスが可能になります。既存のChatGPT PlusとTeamユーザーは、o1モデルを週に50メッセージの制限付きですが利用可能です。ただ、o1 Proモデルにはアクセスできません。Enterprise/Educationユーザーは翌週からアクセスできるようになります。

o1のリリースは、OpenAIが実施している12日間の新製品発表イベント「12 Days of OpenAI(別名:Shipmas)」の一環として行われました。今後も、テキストから動画を生成するAIツール「Sora」など、様々な発表が予定されています。

新しい革新的なモデルのリリースは喜ばしいことですが、月額価格が一気に高くなったのが気になるところです。筆者はそもそも普段は4oで十分で、o1モデルはたまにしか利用しないので、あまり制限は受けなそうですが、月額20ドルのPlusと月額200ドルのProの間の価格差がありすぎて、戸惑います。日常的にコーディングに使用しているユーザーや企業であればこの価格も正当化できるのかもしれませんが、間にもう一段階あってもいいような気もします。