フランスのAIスタートアップ企業H社が、画期的なウェブエージェント「Runner H」の新しいデモを公開しました。Runner Hは、例えばウェブスクレイピングやWeb画面を自動で操作するなど、インターネット上の様々な作業を自動化してくれるAIで、業務効率化に役立つと期待されています。
Runner Hの特徴は、まずその小ささにあります。わずか20億パラメータという独自の小型言語モデル(LLM)を使用しています。これは、大規模なLLMと比べるとかなりコンパクトですが、Anthropicの「Computer Use」ベンチマークでは29%も優れたパフォーマンスを発揮しています。
さらに、Runner Hはビジュアル言語モデル(VLM)が搭載されていて、ウェブサイトの見た目が変わっても、自動的にそれに対応することができます。そのため、ウェブサイトの管理者は、レイアウト変更のたびに手動で設定を調整する必要がなくなり、手間が省けます。
現在、Runner Hはプライベートテスト段階にあり、Eコマース、銀行、保険、アウトソーシングなど一部の企業で使用が始まっているとのこと。将来的には、より多くの企業がRunner Hを使えるようになる予定です。
H社は2023年後半にパリで設立されたばかりの新進気鋭のAI企業ですが、DeepMindの主要科学者であったLaurent Sifre(CTO)とCharles Kantor(CEO)という錚々たるメンバーが創設に携わっています。