マイクロソフトは11月19日から21日まで開催されたIgnite 2024カンファレンスにおいて、Microsoft 365向けの新しい専門AIエージェント群を発表しました。これらのエージェントは、企業内で業務効率を向上させるために設計されており、タスク指向で、コンテキストに応じて自律的に動く機能を持っています。
新しいAIエージェントの中には、例えば、Teamsの会議でリアルタイムにノート作成や要約を自動で行う「ファシリテーターエージェント」、9つの言語でリアルタイム通訳が可能な「インタープリターエージェント」などが含まれています。また、Microsoft Plannerで計画作成やタスク実行を自動化する「プロジェクトマネージャーエージェント」、従業員の一般的な問い合わせに対応する「セルフサービスエージェント」なども発表されています。
さらに、反復的なタスクを自動化する「Copilot Actions」も導入されます。これにより、週次レポートの作成、会議のアクション項目の要約、カスタマーサポートの自動化、出荷請求書の確認などのタスクを自動で実行できるようになります。
マイクロソフトは、独自開発のAIチップの発表や、2025年からすべてのサーバーに新しいセキュリティチップ「Azure Integrated HSM」を搭載する計画も明らかにしました。CEOのサティア・ナデラ氏は「知識労働において、リーン生産方式(cf. トヨタ生産方式)が製造業にもたらしたような革新をAIがもたらす」と述べ、これらの新機能の重要性を強調しています。
これらの新機能により、企業はAIの専門家がいなくても、すぐにAIのソリューションを導入することが可能になります。こうした機能がデモで示されているようにスムーズに動くのであれば、確かに業務効率化を図ることができそうです。
ただ、AIに限らず、以前からマイクロソフトが提供するサービスにありがちなことなのですが、マイクロソフトが事前に想定した使い方に沿って動かないとうまく機能しない、ということが起こりがちなのです。作り込み過ぎてしまうきらいがある、と言い換えてもいいかもしれません。デモを見る限り、今回も少しその傾向がありそうで心配です。できるだけシンプルにして色々な場面に応用がきくようなサービスに仕上がっているのであればいいのですが。