投稿者: トランプ政権の誕生は、AI産業にポジティブな影響をもたらすというのがアメリカでの大方の見方です。
まず、AIやメガテック企業にとってプラスとなるような規制緩和が進むものと考えられています。また、中国との競争を強調するトランプ政権の方針から、AI分野においても政府の積極的な支援が期待されています。
以下の4つの視点から、その影響について考察します。
1）M&Aの加速
まず、M&A規制の緩和についてです。バイデン政権下では独占防止の観点からメガテックによるM&Aが大幅に制限されていました。ただ、トランプ政権ではその規制が緩和され、中小スタートアップの買収が進むと予測されています。大企業の資金とスタートアップの革新的な技術が効果的に融合することで、今後さらに革新的なAIアプリケーションの開発が加速すると期待されています。
2）イーロン・マスクの影響
次に、イーロン・マスクの影響力についてです。マスクは選挙キャンペーン中に明確にトランプ支持を表明しており、トランプ次期大統領もマスクを大きく買っていることから、政権入りが現実味を帯びています。マスクは従前より民主主義国家であるアメリカがAI競争をリードする重要性を強調しており、彼の影響でAIに対する規制が様々に緩和され、技術の進展が加速する可能性があります。
3）電力問題
AI技術の発展には膨大な計算リソースが求められ、データセンターの電力消費が課題です。トランプは選挙キャンペーン中に、国内資源を利用した発電や原子力発電の拡充を支持する方針を表明しており、安定的で安価な電力供給がAI産業の成長を支えると見込まれます。
4）中国との競争
最後に、中国との競争についてです。トランプは中国の脅威に対抗する姿勢を強めており、中国が国家支援のもとAI開発を急速に進めている状況を受け、アメリカがリードを維持することを優先しています。
総じて、トランプ政権はAI産業にプラスに働き、市場の成長がさらに加速すると見られています。ただし、行きすぎた規制緩和で、メガテック企業の独占がさらに進むことや、AIの開発に制限がかからない状態になるという懸念も取り沙汰されています。