TikTok、世界で数百人のコンテンツモデレーター解雇 AIへの移行加速

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動画共有プラットフォームのTikTokは、世界中で数百人規模の従業員を解雇すると発表しました。この人員削減は主にコンテンツモデレーション(コンテンツの監視・削除)チームを対象としており、マレーシアと英国で大きな影響が出ています。

TikTokは解雇の理由として、コンテンツモデレーションプロセスにおけるAI技術の活用拡大を挙げています。現在、同社のガイドライン違反コンテンツの約80%は自動化された技術によって削除されており、今後さらにAIを活用することでモデレーションの効率性と一貫性を高めることを目指しています。

一方で、AIによるモデレーションの質と正確性、人間の判断が必要な複雑なケースへの対応、グローバルな雇用への影響などに対する懸念の声も上がっています。

TikTokは2024年に信頼性と安全性に関する取り組みに世界で20億ドル(約2,980億円)を投資する計画を発表しており、この投資は自動化技術の改善に重点を置いたものとなる見込みです。

この人員削減は、TikTokが現在直面している様々な課題の中で行われています。米国での規制圧力の高まり、若年ユーザーへの影響に関する訴訟、欧州での10億ドル(約1,490億円)以上の損失など、同社はこれらの課題に対応しながら、AIを活用してコスト削減と効率化を図ろうとしているものと見られます。