AI検索の覇権争い激化。GoogleとOpenAIの追い上げにPerplexityは苦戦か

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AI検索の競争が激しくなってきています。

この市場ではPerplexityが先行していますが、GoogleやOpenAIも参入を示唆しており、追い上げが始まっています。

Googleは「AI Overview」という機能を限定的に公開しています。当初は誤った回答を頻繁にする「ハルシネーション」が問題となり信用を落としましたが、徐々に改善が進み、信頼を取り戻しつつあります。

一方、OpenAIは7月に「SearchGPT」の立ち上げを発表し、現在1万人のユーザーがクローズドテストを行っています。ただし、SearchGPTは一時的な名称で、将来的にはChatGPTに統合されると見られています。

そうした中、先週、GoogleはAI Overviewに広告を表示すると発表しました。従来型のリンク広告がAI検索では無効化されるため、収益に悪影響を及ぼすと懸念されていましたが、そうした市場の声に対応した形です。この広告が成功すれば、AI検索を導入してもGoogleの既存広告ビジネスを維持できる可能性が出てきます。

今までは既存のビジネスが大きく崩れてしまうことを恐れて、AI検索を積極的に進めることに戸惑っているように見えたGoogleですが、その効果が確認されれば、Googleは気兼ねなくAI検索機能の拡充を積極的に推し進めるでしょう。

そうなると苦しいのはPerplexityです。Peplexityも12月にはAI検索結果に広告を表示すると発表していますが、すでに強力な広告プラットフォームと膨大な顧客ベースを抱えているGoogleに対抗するのは容易ではないでしょう。

さらに、Perplexityの技術的な優位性にも疑問が出てきています。最近ではGensparkFeloといった後発のAI検索サービスが続々と登場しています。特にFeloは、Perplexityとほぼ同等の検索精度を実現していると評価されています。

こうした後発のサービスがコピーできてしまうくらい技術的な優位性に乏しいのであれば、現状まだ強力なブランド認知を確立できていないPerplexityは、後発の企業に逆転される可能性も出てきてしまいます。

また、筆者が最近使っていて感じるのは、ChatGPTがすでにSearchGPTの機能を徐々に取り込んでいるのではないか、ということです。この1〜2ヶ月でChatGPTで検索結果の信頼性が飛躍的に向上しているように見えます。

ChatGPTはそのセンセーショナルな登場以来、世界中で、「生成AIといえばChatGPT」と真っ先に名前が上がるほどの知名度を誇っています。そのサービスに検索機能が統合されるのであれば、アーリーアダプター層のみならず、マジョリティ層もAI検索にChatGPTを選ぶ可能性が高いでしょう。

AI検索の分野では、その立ち上げこそPerplexity一強の時期が続いていたため、強力なブランド確立までのスピード勝負が求められたのですが、すでにAIチャットで圧倒的な知名度を築いているOpenAIや、ネット検索で世界の8割~9割のシェアを持つGoogleの追い上げの方が早いように見えます。

筆者は昨年からPerplexityを愛用し、今でも毎日ヘビーユースしています。個人的にはPerplexityに頑張って欲しいと思いつつ、AI検索を取り巻く状況を見る限り、最終的にはGoogleかOpenAIのどちらかに収束していくのではないかと感じています。

追記:
少し話がそれますが、筆者は当初から「Perplexity」という名前に懐疑的です。
友人に教える時に、ネイティブスピーカーでも知らない人は一度では聞き取れず、ノンネイティブにとってはスペルも難しいです。YahooやGoogle、Amazonのように、一言で覚えられるシンプルさがない点は、案外、普及の大きな障壁になっているのではないでしょうか。