米国最大の銀行であるJPモルガン・チェースが、従業員向けの新しいAIアシスタント「LLM Suite」を導入し、注目を集めています。このプログラムはOpenAIの大規模言語モデル(LLM)を活用しており、現在約6万人の従業員がアクセス可能です。これは全従業員の約5分の1に相当します。
LLM Suiteは、メールの作成やレポートの作成など、従業員の日常的なタスクをサポートします。生成AIの急速な普及に対応し、従業員の生産性向上とAIを活用した業務効率化を推進することが導入の目的です。
JPモルガン・チェースのCEOであるジェイミー・ダイモン氏は、この技術が「ほぼすべての仕事を強化する」可能性があると述べています。同社はLLM Suiteの活用をさらに拡大し、最終的には社内でZoomのように普及させることを目指しています。
また、OpenAIのモデルだけでなく、複数のAIモデルを業務内容や要求される精度に応じて柔軟に使い分けられるようにする計画もあります。特定の業務に特化したカスタムモデルの開発も視野に入れているとのことです。
ダイモン氏は2006年にCEOに就任して以来、幾度となく危機を乗り越え、JPモルガン・チェースを今の地位に押し上げた人物として知られています。次期財務長官候補とも言われるダイモン氏率いる同社がいち早くAIアシスタントを導入したことで、他社も追随する動きが加速すると予想されます。