Googleが、Character.AIの共同創設者であるNoam ShazeerとDaniel De Freitasを含む一部の研究チームメンバーを再び迎え入れることを発表しました。両者とも元Googleの研究者で、Googleを辞めてCharacter.AIを共同創業しましたが、今回出戻ることになりました。
Googleは今回の移籍に伴い、Character.AIの既存の大規模言語モデル(LLM)技術を非独占的にライセンスする契約を結びました。その金額は明らかにされていませんが、Character.AIはこの追加の資金を得て、ユーザー向けのパーソナライズされたAI製品の開発に集中する、としています。
今回移籍するNoam Shazeerは、AIと機械学習の分野で著名な研究者であり、Transformerアーキテクチャを提案した「Attention is All You Need」という論文の共同著者としても知られています。一方、Daniel De Freitasは、Google BrainでのLaMDAプロジェクトやMeenaプロジェクトのリーダーとしての経験があります。
Character.AIは2021年の立ち上げ当初注目を集め、1億ドル(約147億円)以上の資金調達を行い、企業評価額は10億ドル(約1470億円)に達していました。ただ、最近は様々なAIサービスが立ち上げるにつれ、マネタイズの部分で苦戦していました。2023年の売り上げは1520万ドル(約22億円)と推定されていて、24年度も10%程度の成長しか見込まれていないようです。そうした中、Googleがライセンスを非独占的に購入することで売上の増加に貢献する代わりとして、チームを引き入れるという取引に至ったようです。
この取引は、Microsoftが3月にInflectionの開発チームを引き入れたのと同じ方法を踏襲しています。ただし、Microsoftの事例では米国や英国で当局の調査が入っており、今回のケースも同様に問題となる可能性があります。