Perplexity AI、パブリッシャーとの収益分配サービス「Perplexity Publishers’ Program」を発表

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Perplexity AIは、2024年7月にパブリッシャー(出版社など)との収益分配サービス「Perplexity Publishers’ Program」を発表しました。このプログラムでは、AI検索エンジンがパブリッシャーのコンテンツを利用して収益を上げた際、その一部を還元することを目的としています。

今回発表された収益分配モデルでは、パブリッシャーのコンテンツがAI生成の回答に使われ、その回答が収益を生んだ場合、その収益の一定割合を受け取れます。具体的な数字は公開されていませんが、分配される割合は全体の「二桁パーセンテージ」とされています。また、広告収入の一部も分配される予定です。広告は今後、検索結果の関連質問セクションに表示されるとのことです。

初期パートナーには、TIME、Der Spiegel、Fortune、Entrepreneur、The Texas Tribune、Automattic(WordPress.comの運営会社)が含まれます。パブリッシャーは収益分配のほかに、PerplexityのAPIを活用して、自社サイトにAI検索エンジンを組み込んだり、Perplexityの法人向けサービスを1年間無料で利用することができます。

Perplexityはこれまで、メディア企業からのコンテンツ盗用疑惑に直面していました。このプログラムは、そうした疑惑を払拭し、パブリッシャーとの信頼関係を築くための取り組みの一環と言えるでしょう。

OpenAIをはじめ、AI企業は、コンテンツを持っている企業とどのように折り合いをつけていくか、について、少しずつ解決策を見出しているように見えます。今回のプログラムは収益分配となっていて、Open AIが固定で利用料を支払う方式とは少し異なっていますが、これは、Perplexityが大規模言語モデルを自社では保有しないラッパーサービスであることが影響していると思われます。こうした取り組みで、AI企業とコンテンツホルダー双方にメリットのある協業関係が作られることはAI業界にとって喜ばしいことと言えます。

もう1つ付け加えると、Perplexityが「広告モデルを導入する」という内容も驚きです。この秋には検索結果に広告が表示される予定とのこと。Perplexityがどのように有料サブスクリプションと広告を組み合わせるのか、注目されます。また、この新しい取り組みにより、Googleなどの既存の検索エンジン大手がどの反応するのかも見どころです。