投稿者: イーロン・マスク率いるAI企業xAIが、テネシー州メンフィスに世界最大級のAI専用のトレーニング施設「Memphis Supercluster」を構築し、2024年7月22日より稼働を開始しました。
このスーパーコンピューターは、10万台もの液冷式NVIDIA H100 GPUを搭載し、単一のRDMA（Remote Direct Memory Access）ファブリックを使用することで、効率的で低遅延のデータ転送を実現しています。マスクは、これを「世界で最も強力なAIトレーニングクラスター」と称しており、2024年12月までに「あらゆる面で世界最強のAI」であるGrox ver3の開発を目指しています。
この大規模プロジェクトは、メンフィス市史上最大の資本投資となる見込みで、地域の雇用創出にも貢献すると見込まれています。しかし一方で、ピーク時には150メガワットもの電力を消費し、冷却用に日量130万ガロン以上の水を使用する可能性があるため、環境への影響が懸念されています。
また、Tennessee Valley Authority（TVA）との電力供給契約がまだ締結されていないことや、プロジェクトの急速な進展による地域社会への影響など、いくつかの課題も残されています。マスクの過去の発言と実際の成果の乖離を考慮すると、2024年12月という目標達成にも懐疑的な見方もあります。
ただ、有言実行で、世界最大級のAIトレーニング施設を完成させ、稼働を開始したことは評価すべきことで、その成果としてどういうAIモデルが生まれてくるのか、楽しみにしたいと思います。