クラウド市場が急速な成長を遂げています。
2024年第1四半期(Q1)におけるクラウドサービスへの世界的支出は前年同期比21%増の760億ドル(約12兆円)となりました。2023年全体を見ると、前年比18%増の2,904億ドル(約45兆円)。2024年の市場全体の成長率は20%と予測されています。この成長を牽引しているのは、AIやマシンラーニングの普及にあります。
現在のクラウド市場は、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloud Platform(GCP)の3社で大半を占めています。AWSは約31%の市場シェアで首位。Azureは約25%で第2位、GCPは約11%で第3位で、それぞれシェアを拡大しています。この3社の中では、特にMicrosoftとGoogleの成長が著しく、2024年Q1の前年同期比成長率はそれぞれ31%と28%に達しました。AWSも同じ時期に17%の成長を維持していますが、勢いではやや劣る結果となっています。
Microsoftは、OpenAIとの連携により企業向けソリューションを強化し、市場シェアを拡大しています。また、GoogleのCEOも、「クラウド事業の成長はAIがもたらす顧客メリットに支えられている」と述べており、同社も同じく今までAIの分野で先行してきたという同社の強み/イメージを最大限生かしていると言えるでしょう。もちろん、AWSもClaudeや他のAIモデルを多数提供することで堅調な成長をしていますが、やはりいずれのモデルも一般的な知名度ではやや劣るため、他の2社に比べると苦戦している、という状況が見えてきます。
クラウド事業者は、NvidiaなどのAI向けGPUプロセッサーを大量に導入して増やしており、これがクラウド市場全体の規模拡大に寄与しています。AIが各業界に普及していくことに伴い、クラウドサービスへの需要は今後も高まると予想され、この傾向はしばらく続くと見られています。
各社の成長率と市場シェアの推移から、Microsoftが近い将来にAWSを抜いて首位に立つ可能性が高まっています。クラウド市場における競争は今後さらに激化していくものと思われます。