【資金調達:シリーズB】AIスタートアップHebbia、1.3億ドル調達 – 企業価値は7億ドルに

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生成AIを活用した大規模文書検索・回答ツールを提供するHebbiaが、シリーズBラウンドで1億3000万ドル(約200億円)の資金調達を行い、企業価値は約7億ドル(約1100億円)に達したことが明らかになっています。この調達ラウンドはAndreessen Horowitzが主導し、Index Ventures、Google Ventures、Peter Thielなどが参加しています。

Hebbiaは、2020年8月にニューヨーク(NY)で創業されたAIスタートアップで、知識労働のためのAIプラットフォームを提供しています。同社の主力製品であるMatrixは、容量無制限で大量の資料をアップロードし、それをもとにAIモデルが様々な分析を表形式で提示するというサービスを実現しています。

Hebbiaのサービスは、主に資産運用会社や投資銀行などの金融機関に販売されていますが、法律事務所や製薬会社など他の分野にも拡大しつつあります。投資銀行のCenterview Partners、Charlesbank、法律事務所のFenwickなどが既に顧客として名を連ねています。本社がNYということもあって、顧客として並ぶ企業もNYやボストンなど東海岸の企業が多い印象です。

創業者兼CEOのGeorge Sivulka氏は、10代でNASAに勤務し、スタンフォード大学を2年半で卒業した天才として知られています。数学と応用物理学の学位を取得し、電気工学の博士課程に在籍していましたが、現在は休学中です。Sivulka氏は、直接的なビジネス経験やビジネスに特化した共同創業者を持たないという点で、他のエンタープライズ系創業者とは一線を画しています。

今回の資金調達時点でのHebbiaの年間経常収益(ARR)は1300万ドル(約20億円)で、収益性も確保されていました。企業価値はARRの約54倍となっており、これは最近のAIスタートアップが資金調達をする際のバリュエーションとしては一般的な水準だと言えます。昨今のAIスタートアップの資金調達では、ARRの50〜60倍程度のバリュエーションが相場となっています。