Googleが、オープンソースの軽量AIモデルシリーズの最新版「Gemma 2」を発表しました。同時に、商用版のGemini 1.5 Proも更新され、200万トークンのコンテキストウィンドウやコーディング機能の強化など、複数の改良が加えられています。
Gemma 2は、9Bと27Bパラメータの2種類のサイズで提供され、将来的には2.6Bパラメータの軽量版も計画されているそうです。最大の27Bモデルは、他社の2倍以上のパラメータ数を持つモデルに匹敵する性能を示し、9Bモデルは同クラスの競合モデル(Meta社のLlama 3 8Bなど)を大きく上回る性能を発揮しています。
また、Googleは Gemini 1.5 Proの200万トークンのコンテキストウィンドウを一般公開し、これまでよりもはるかに長い入力文(プロンプト)の処理を可能にしました。Gemini 1.5の ProとFlash両モデルには新しいコーディング機能が追加され、Pythonコードの生成・実行能力や、数学・データ分析タスクの精度が向上しています。
今回のGoogleの発表は、パラメータ数が少ない軽量モデルでも高い性能を実現できるオープンソース版の大幅な改良となっています。現在のトレンドとして、PCやスマートフォンなどのクライアントデバイスで動作する軽量AIモデルの需要が高まっています。Gemma 2はこうしたデバイス上での動作を想定したモデルだと考えられます。また、オープンソースであるため、企業が自社のサーバーに導入し、オンプレミスで活用する際にも有用です。
OpenAIやAnthropicなどの競合企業が次々と新しいモデルを発表する中、Gemini 1.5 Proのアップデートもモデルの使いやすさを向上させるものとなっており、Googleの競争力維持への取り組みがうかがえます。