フランスのAIスタートアップMistral AI、シリーズBで6.4億ドル調達 企業価値60億ドルに

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アメリカが中心となって展開されているAI開発競争において、フランスの企業も存在感を示しています。その中心的な存在の一つであるMistral AIが、シリーズBラウンドで6億ユーロ(約6.4億ドル:約1000億円)を調達し、企業価値は60億ドル(約9440億円)に達しました。

Mistral AIは、OpenAI、Anthropic、Metaなどの大手に対抗することを目指し、大規模言語モデル(LLM)の開発に取り組んでいます。同社は、オープンソースライセンスの下で事前学習済みおよびファインチューニング済みのモデルを公開しており、Mistral 7B、Mistral 8x7B、Mistral 8x22BなどがApache 2.0ライセンスで利用可能となっています。

Mistralの開発するLLMは、その性能の高さとオープンソースであることから、様々な企業で利用されています。また、同社は商用のLLMも提供しており、最も高度なモデルであるMistral Largeは、APIファースト製品として再パッケージ化されることを目的とした独自商用モデルです。Mistral Largeは、入力トークン100万個あたり8ドル、出力トークン100万個あたり24ドルの料金で提供されています。

企業は、使用量に応じた料金を支払うことで、Mistral LargeをAPI経由で利用できます。Mistral AIは、Microsoft Azureなどのクラウドプロバイダーと提携しており、MicrosoftはMistral AIの少数株主でもあります。MistralのLLMは、AWS、Snowflakeなどのクラウドプラットフォームでも提供されています。

シリーズBラウンドは、General Catalystが主導し、Lightspeed Venture Partners、Andreessen Horowitz、Nvidia、Samsung Venture Investment Corporation、Salesforce Venturesなどが参加しています。

Mistral AIの躍進は、アメリカ以外の国々でもAI開発が活発化していることを示しています。今後、同社がOpenAIやAnthropicなどの大手とどのように競争していくのか、注目が集まります。