米空軍・宇宙軍は、独自の大規模言語モデル「NIPRGPT」の実験的な使用を発表しました。これは最新のAI技術を積極的に取り入れ、効率的な部隊運用を目指す取り組みの一環です。
NIPRGPTは、ニューヨーク州ローマの空軍研究所情報局で開発されたDark Saberソフトウェアプラットフォームの一部で、報告書の要約、IT支援、コーディングなどのタスクに使用される予定です。このツールを通じて、AIが軍の中で情報アクセスを改善する方法を理解し、組織内での使い方を評価することが目的とされています。
空軍研究所(AFRL)は、空軍が管理業務だけでなく、戦術的な作戦にもAI技術を活用する方法を研究しています。NIPRGPTは公開されているAIモデルを使用して開発され、特定のベンダーやアプローチに依存しないのが特徴です。隊員がシステムを使い始める中で、AFRLは民間企業と協力し、ツールをテスト・統合し、実用性を判断していきます。
米国防総省は、ChatGPTのような生成AIツールを活用し、膨大なファイルの検索やQ&Aなどの日常業務を効率化する方法を模索しており、海軍も2023年に会話型AIプログラム「Amelia」を導入するなど、各軍種でAI活用が進められています。
こうした新しい技術に対する柔軟な態度が軍を強化することにつながるのでしょう。当然、他国も研究や実験を進めていると思われますが、今後の軍隊の運用においては、AIをどう活用していくのかが鍵となりそうです。AI活用に関する各国の競争が激化していくことが予想されます。