Arm CEOが警鐘:AIの消費電力、2030年までにインド全体を上回る勢い

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Arm社CEOのRene Haasは、AIシステムの急速な発展に伴うエネルギー需要の増大が持続不可能な状況を生み出しつつあると警鐘を鳴らしています。彼によれば、2030年までにAIのコンピューティングに必要な電力消費量が、インド全土の消費量を上回る可能性があるとのことです。

AIシステムは、膨大なデータセットを用いた集中的なトレーニングを必要とします。このプロセスは非常にエネルギーを消費するため、AIの持続可能な発展を脅かす大きな課題となっています。AIモデルのトレーニングコストも指数関数的に増加しており、GoogleのGemini Ultraのトレーニングには約1億9100万ドル、OpenAIのGPT-4には約7800万ドルのコストがかかったと報告されています。

データセンターが現在世界の電力需要の約4%を占めていますが、このままではその割合が25%まで増加する恐れがあります。

Arm社のチップはエネルギー効率が高いことで知られています。Haasは、データセンターにおけるこれらのチップの導入拡大を提唱しています。ここだけ聞くとArmチップの宣伝文句のように聞こえてしまいますが、電力の問題はOpenAIのSam AltmanやMetaのZuckerbergなど他の著名人も声高に指摘してきたポイントです。

チップのエネルギー効率を高めることは一つの方策ではありますが、それだけでは不十分です。電力の確保は国の電力計画に大きく依存しているところでもありますので、産業界だけでなく、より広範に今後電力をどう確保していくのかについての議論と解決策が求められています。