Forbes、AI業界の有望スタートアップ(AI 50)を選出

投稿者:

Forbesが第6回となる2024年版の年間「AI 50」リストを発表しました。今年のリストの特徴は、少人数で大きな成果を上げるスタートアップ企業の台頭が浮き彫りになっていることです。OpenAIが予想する「従業員が1人の10億ドル(約1550億円)企業」の実現にはまだ時間がかかるかもしれませんが、そのトレンドは明らかです。

今年のリストは、少人数のチームを持つ新顔企業が多数ランクインしたことが特徴です。新顔の3分の1はAI「インフラ」企業で、例えば、Pineconeは7億5000万ドル(約1160億円)、Langchainは2億ドル(約310億円)、AssemblyAIは3億ドル(約460億円)の時価総額となっています。その他の企業は、AI「サービス」を提供する企業です。例えば、医療用AIスクライブ(*)を開発するAbridgeは8億5000万ドル(約1310億円)、顧客サービス用チャットボットを提供するSierraは10億ドル(約1550億円)近い評価を受けています。

生産性ツールのNotionは、最新のAI技術を素早く取り入れ、100億ドル(約1兆5500億円)の評価を得ています。Sequoia CapitalのConstantine Bueller氏は、「今までのテクノロジーが全ての業界を変革したように、AIも同じことになるだろう。全ての企業がAI企業になっていく」と述べています。

AIスタートアップは多額の投資を呼び込んでおり、AI 50リストに入った企業のうち24社が10億ドル以上の評価を受けています。Figure AI(26億ドル:約4020億円)やHugging Face(45億ドル:約6960億円)のような大規模なAI企業でも、資金調達に苦労することはありません。Microsoft、Amazon、Googleなどの巨大テック企業をはじめ、VCやピーターティールやジェフベゾスなどの著名人が、AIスタートアップに多額の投資を行っています。

2024年のAI 50に選出された企業は、総額で347億ドル(約5.4兆円)を調達しており、前年の272億ドル(約4.2兆円)から伸びています。

AIスタートアップは、より大規模な資金調達を行いながらも、より少ない従業員数で成果を上げています。AI 50の平均従業員数は減少しています。全体の平均従業員数は357人から347人へと3%減少し、中央値は150人から89人へと41%減少しました。

AIマーケットは急速に進化しています。今年のAI 50では、スタートアップは革新を起こして資金を呼び込み、Googleのような大手企業に対して、はるかに小規模なチームで対抗する能力を示していることを明らかにしました。

*医師と患者の会話をリアルタイムで構造化された臨床ノートに変換する技術