Google Healthは年次イベント「The Check Up」で、AIを活用した取り組みを発表しました。中でも、医療用大規模言語モデル「Med-PaLM」の最新バージョンが注目されています。最初にリリースされたMed-PaLMは、医療に関する質問に高品質な回答を提供することを目的で開発され、米国の医療ライセンス試験に類似した質問で60%以上の合格点を得た初のAIシステムです。
今回発表された第二世代の技術であるMed-PaLM 2は、同様の医療試験の質問に対して85%以上の正確さを達成し、前回の結果から18%向上しました。Google Healthのリサーチリード、Alan Karthikesalingam博士は、Med-PaLMの回答を実際の医師や臨床医の回答と比較してテストしており、事実の正確さ、バイアス、潜在的な危害についてテストしていると述べています。
医療情報のデリケートな性質を考慮して、Karthikesalingam博士は一般消費者に利用されるまでには時間がかかるかもしれないと述べており、現時点では管理された環境で使用することが重要だと強調しました。Googleは今後も研究者や専門家と連携して技術を進化させる予定です。
AIの潜在的な市場は巨大で、2030年までに1460億ドルに達すると予測されています。その中で医療分野のAI技術は、市場の主要な役割をしめており、すでに多くの医療施設で幅広く導入されています。2023年3月、米国食品医薬品局(FDA)は、新たな米国法を受けて医療機器やデジタル医療システムにおけるセキュリティ要件のガイダンスを発表しました。Googleは、自社が開発する全ての技術がそうしたガイダンスに従っているとし、今後も顧客からのフィードバックを受けながら自社のAIプラットフォームがどれだけ効率的かつ安全に機能しているかを評価していく、としています。