投稿者: サンフランシスコのベイエリアが復活の兆しを見せ始めています。近年、特にサンフランシスコ市のダウンタウンは、異常な家賃高騰によるホームレスの激増や、危険ドラッグの蔓延、警察官の不足などにより、治安が非常に悪化していました。それでもコロナ前の2019年は、そもそもが狭いエリアゆえにオフィススペースもハウジングも不足している状況でした。
しかしコロナ禍で状況は一変しました。リモートワークの広がりもあり、人々は家賃や生活費が異常に高いサンフランシスコ市及びベイエリアに早々に見切りをつけ、テキサス、アリゾナ、ネバダなどの州に流出が進みました。さらに2023年にはビッグテックのレイオフも加速し、治安の悪化も相まってベイエリアの人口は減少の一途をたどっていました。その頃から多くの人がサンフランシスコの未来は暗いと噂していました。
しかし今、昨年から始まったAIブームによって人々が再びベイエリア、特にサンフランシスコ市のダウンタウン周辺に戻り始めています。OpenAIやAnthropic、PerplexityといったAI企業の本社はサンフランシスコ市内にあり、その周辺では数多くのスタートアップが起業しています。わずか数マイル圏内に主要なAI企業が密集し、週末前には様々なところでピザとビールを囲む”meetup event”が開かれていて、そこに有名AI企業のエンジニアや起業家が集まってアイディア交換を行うなど、非常な活況を呈しているようです。そうした人々のリアルな場での交流から生まれる熱がさらに新たなイノベーションを引き起こす原動力となっているようです。
サンフランシスコはいまだに全米で有数の高家賃都市ですが、AIブームによる雇用の創出と人口の流入が地域にポジティブな変化をもたらしつつあります。リモートワークの浸透やテックレイオフの影響で、ベイエリアの不動産市場はここ数年厳しい状況が続いていましたが、2024年に入ってからの空室率は減少傾向にあり、回復の兆しが見え始めています。AIがもたらす新たな時代の幕開けとともに、サンフランシスコベイエリア、特にダウンタウン周辺はまたこれから一時期の盛況を取り戻すかもしれません。注目のエリアです。