投稿者: - 総合評価：★★★★☆
- インド発アメリカ育ち：★★★★★
音声生成サービスMurf AIを紹介します。Murf AIは、テキストをリアルな音声に変換することができる音声生成サービスです。
2020年10月にSneha Roy、Ankur Edkie、Divyanshu Pandeyによってユタ州ソルトレイクシティで設立されたこの企業は、YouTube動画のナレーション、eラーニング教材、ポッドキャスト、プレゼンテーションなど、さまざまな用途に適した音声を生成してくれます。
Murf AIの最大の特徴は、その高品質な音声合成技術にあります。同社のサービスは、日本語を含む20言語以上に対応しており、120種類以上のリアルなAI音声を提供しています。今回筆者は英語しかみてみませんでしたが、生成される音声は非常に自然で、まさにインダストリアルクオリティと言えます。また、ボイスクローニング機能を使えば、特定の人間に似せたカスタム音声の作成も可能です。
料金プランは月額29ドルから始まり、無料トライアルも用意されています。セキュリティ面でも、ユーザーデータは編集終了後に削除され、第三者とのデータ共有はないとのこと。使いやすさにも定評があり、一旦生成された音声に関しても、発音や強調のカスタマイズ、文法チェックなど、周辺サービスはよく考えられていて、操作性に優れています。
Murf AIは、これまでに2回のファンディングラウンドを実施し、合計で$11.5M（約17億円）の資金を調達しています。創業者が全員インド工科大学（IIT-Kharagpur校）の卒業生ということもあり、インド系のVCやエンジェル投資家から資金を集めているようです。CEOのAnkur Edkieは以前Amazonやインド発ライドシェアのOlaなどでAIと製品開発を担っていた経験があるようです。
筆者独自の評価は星4つ。完全自動ではなく、生成された音声を実サービスで使用するには、実際には若干手を加える必要がありそうで、その点で1つ星を減じておきました。つい先日OpenAIの音声プロジェクトが発表されるなど音声生成分野も注目されていますが、数多くの競合の中でも注目すべき会社の一つです。