Amazonは4月11日、著名なコンピューター科学者であるAndrew Ng氏を取締役に迎えると発表しました。Ng氏はGoogleやBaiduでAIプロジェクトを率いた経験を持ち、現在はスタンフォード大学で客員教授を務めています。
一方、長年にわたりアマゾンの取締役を務めてきたJudy McGrath氏が退任することも明らかになりました。McGrath氏はMTVを率いたメディア業界の大物として知られています。メディア業界の大物であるMcGrath氏の退任と、AI分野の権威であるNg氏の就任は、アマゾンが従来力を入れてきたAmazon Prime Videoに代表されるエンターテインメント事業から、AIへと注力をシフトしていることの表れと捉えることができます。
AmazonのAndy Jassy CEOは株主宛の書簡の中で、生成AIは「インターネット以来の最大の技術変革になるかもしれない」と述べ、同社がAI分野に注力していく姿勢を明らかにしました。AmazonはAWSクラウド事業でマイクロソフトの猛烈な追い上げを受けており、Alexaアシスタントも OpenAIやGoogleの生成AIツールとの競争にさらされています。
業界のリーダー達がAIの世界的な波について言及する中、Ng氏のような業界で一目置かれる人物をチームに迎え入れることは、優位性を高めようとするAmazonの強力な一手だと言えるでしょう。Amazonは長年にわたりAIの主要プレイヤーでしたが、OpenAIの台頭以降、この分野で「出遅れている」との印象を払拭すべく、AIへの投資を加速させています。